【臓器移植の真実】それでもあなたは臓器提供をしますか?

こんにちは。フリーランス投資家のmaruです。

少し仰々しいブログタイトルを付けましたが、今回は答えのないテーマ「臓器移植」について記事にしていきます。

普段の記事と毛色が違いますが、私が大学で卒論のテーマとして研究をしてきたもので皆さんに知って欲しいと感じていることです。

皆さんはもし脳死状態や植物状態に陥ったとき、臓器提供をしようという考えを持っているでしょうか?

また大切な家族がそのような状態になったとき、臓器提供しても良いと考えるでしょうか?

この記事では臓器提供にまつわる知られざる事実をお話しします。そして臓器提供の良し悪しを判断するものではなく、今後の皆さんの人生において臓器提供をすべきかどうかの判断材料となるような内容をお伝えしていきます。

ぜひ最後までご覧ください。

臓器移植って何?

臓器移植は重大な事故や病気に罹り臓器の機能が低下した患者に対して、脳死状態や植物状態になった患者の臓器を移植することを言います。

一般に臓器を提供する側を「ドナー」、提供される側を「レシピエント」と呼びます。

もちろん脳死状態になった患者から無許可で臓器を摘出するわけではありません。

2010年に「改正臓器移植法」が施行され、本人の臓器提供の意思が確認できた場合、もしくは本人の意思が不明でも家族が臓器提供を許可した場合に臓器の摘出が可能になります。

脳死状態は大きな事故などで誰しもがなる可能性があります。自分や周りの大切な人が臓器提供する側、つまりドナーになる可能性はあるのです。

本人の意思、もしくは家族の許可で臓器提供がされるため、もし急に決断が迫られるようなことがあった場合に適切な判断ができないかもしれません。

そんな時のために臓器移植について知っておきましょう。

臓器提供の一般認識

臓器提供は一般に素敵な意思表示だと考えられることが多いように感じます。「臓器を提供された人はその後回復し、再び社会生活を送ることができる」という認識のもと、前向きな意見が見受けられます。

「脳死状態、植物状態になってしまった時にも救える命がある」と言うととても素敵なことのように聞こえますし、実際のところ臓器移植で救われた人や家族はたくさんいると思います。

また多くの人の共通認識として「脳死になったらあとは死を待つのみ」というものが根底にあると思います。

極端な言い方をすると、「どうせ死んでしまうのならば臓器を提供したほうが良い」という考えになりかねません。

続いてこうした一般認識に対して知っておいて欲しい事実をお話ししていきます。

臓器提供の知られざる事実

ここは重要なのでじっくり読んでください。

臓器提供による弊害

まず「臓器提供を受けた側の人は、その後回復し再び社会生活を送れる」という見方について検討していきます。

私たちの身体には「免疫反応」というものがあります。ウイルスなどの異物が体内に入ってきた時、体内の免疫細胞がその異物を攻撃する仕組みです。

この免疫反応のおかげで風邪を防いだり、もしくは軽症で済ませることができています。

しかし他人の臓器も異物です。臓器移植の際には免疫反応が起こってしまいます。体内の免疫細胞が、移植された臓器を攻撃してしまうととても危険です。

そのため臓器移植の際には、免疫反応を抑制する薬を投与します。そうすると移植そのものは成功しやすくなります。

しかし免疫反応を抑制するということは、体内に入ってくるウイルス等の異物を攻撃できないため、風邪を引きやすくなったり重症化のリスクを抱えることになります。

ちょっとした風邪が死に至るような危険なリスクにも繋がりかねません。

つまり「臓器移植を受けた人が回復し、社会生活を送れるようになるか」というと少し疑問が残るのです。

ドナー側の問題

「移植される側の人が完全に回復するわけではないとは言っても、救える命があるのだから良いじゃないか」という声もあると思います。

しかし移植される人の命が救われている一方で、移植する側の「ドナー」の命はどうでしょうか?

ドナーは脳死状態と診断された患者がなります。

問題なのはこの「脳死状態」なのですが、言葉に「死」という文字が入っていることから「もう助からない」というイメージを持たれてしまうかもしれません。

しかし脳死状態になり「9日以内に心臓も停止し、死に至るだろう」と診断された少年が9日経っても生き続け、身長が伸びたり体重が増えたりしました。その後8年後には退院したという話でした。

脳死状態とは厳密に異なりますが、植物状態から意識を取り戻し社会生活を送っている人も結構います。

さらに踏み込んだ話をすると、脳死状態の基準が国際的にも曖昧だったりするため、海外で脳死と診断されたのに、日本に帰ってきたら意識を取り戻した例もあります。

つまりまだ生きられた可能性があるのに脳死と診断され、臓器を摘出されてしまった患者がいてもおかしくないのです。

どうするかはあなた次第

ここまでお話ししてきた内容をまとめると、

・臓器移植をされた人は免疫機能に影響を受け、完全な回復するとは限らない

・脳死状態は必ずしも死に至るとは限らず、まだ生きられた可能性があるのに臓器を摘出されてしまう人がいるかもしれない

ということです。

ただ大事なことはこれらの内容を知ったうえで、どうするかを自分で判断することです。

臓器を提供することで救える命があることも事実です。脳死・植物状態と診断されてながら意識を取り戻す可能性があると信じていても、その状態を維持するにもお金がかかります。

特に生命に関わる問題なので「必ずこうしなければならない」ということはありません。判断材料となる情報をしっかり収集し、自分にとっての最適解を見つけていくことが重要だと思います。

今回の記事でお話ししたのは臓器移植分野の中でもほんの一部です。もしもっと詳しく知りたいという方は私が卒論で利用した書籍をご利用ください。

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まとめ

いかがだったでしょうか?

今回は脳死や臓器移植について記事にしていきました。誰にでも起こりうる話だからこそ、事実として知っておいてほしいと思っています。

そしてその事実を知ったうえで、臓器提供の意思表示をするかどうかの判断をして欲しいと思います。

皆さんもぜひこの記事をきっかけに自分や家族の命について考えてみてはいかがでしょうか?

最後まで読んでいただきありがとうございました。またお願いします。

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