こんにちは。フリーランス投資家のmaruです。
今回は、韓国からグローバルに活躍する企業「サムスン電子」について銘柄研究をしました。
半導体分野で世界的な存在感を持つサムスン電子。今後の投資先としての魅力はどうなっていくのでしょうか?
今回はサムスン電子について、以下の点を分析していきます。
○これまでの業績・株価
○サムスン電子の強み・今後を分析
「サムスン電子に投資したい」「今後の株価の見通しを知りたい」という人に向けてこの記事を書いています。ぜひ最後まで読んでみてください!
もくじ
サムスン電子ってどんな会社?
始めにサムスン電子がどんな企業なのか紹介していきます。
基本的な情報と事業内容をチェックしていきましょう!
サムスン電子の基本情報
本社 | 韓国・スウォン市 |
設立 | 1969年1月13日 |
上場市場 | KOSPI |
業種 | 電気機器 |
時価総額(2021年6月3日現在) | 556.09兆ウォン(日本円換算で54.5兆円) |
サムスン電子は韓国のKOSPI市場に上場する企業です。
時価総額は日本円にして54.5兆円。日本の時価総額トップのトヨタが31.9兆円(6月3日現在)なので、その規模がよく分かります。
またサムスン電子を中心としたサムスングループは、韓国の財閥企業をしても知られています。
韓国では財閥企業の存在感が強く、サムスン電子だけで韓国国内の全企業の20%の利益を生み出しています。
事業内容
サムスン電子の事業は大きく3つに分類することができます。
「一般向け家電製品部門」「IT・モバイル部門」「半導体部門」です。
家電製品部門では同じ韓国の家電メーカーLG電子に遅れを取っているものの、近年はサムスン電子が大きな追い上げを見せています。
テレビではLG電子のシェアを上回り、IoT家電へも注力してきています。
IT・モバイル部門では、スマートフォン市場で世界トップシェアを握ります。
日本ではアップルのiPhoneが人気ですが、国際的には比較的安価なサムスン電子の「Galaxy」シリーズの人気が上回っています。
スマホ利用者の5人に1人が、サムスン電子のスマートフォンを利用している計算です。
半導体部門では、DRAM・NANDで世界トップシェアです。
近年ではシェアが減少しているという指摘もありますが、業界内で存在感を発揮していることに違いはありません。
サムスン電子の業績・株価は?
次にサムスン電子のこれまでの株価や業績をチェックしていきます。
私は投資対象を分析する際に、「企業の稼ぐ力」を数字で確認できる売上高と、投資家の需要が見て取れる株価の推移を必ずチェックします。
ということで売上高・株価について過去の推移を見ていきましょう。
売上高
以下のグラフが、サムスン電子の過去4年間の売上高の推移です。
売上高を見ていくと、ここ数年は大きな成長を遂げている企業ではないことが分かります。
2020年12月期の売上高は236.81兆ウォンで、日本円に換算するとおよそ23.4兆円です。
近年は営業利益率が低下してきていますが、約15%前後をキープしています。
直近の決算では、IT・モバイル部門の不調を家電製品部門と半導体部門でカバーしています。
売り上げが大きく伸びていく企業ではありませんが、部門の柱が3つあるため安定した収益をあげています。
株価
では次に株価をチェックします。
以下のチャートは、サムスン電子の過去5年間の株価の推移です。
コロナ後に急速な上昇を見せ、一時は10万ウォンを目指しましたが、直近では下落しています。
ただアナリストの多くが、「期待感による上昇から業績相場への転換する移行期間ではないか?」と推測しています。
業績相場が始まれば、10万ウォンの株価をつける可能性が高いと見られています。
今後、株価がどのような動きをするか注目が集まります。
サムスン電子の将来性を分析
サムスン電子の今後を分析する上で、私が重要だと考えるポイントは以下の点です。
- 好調が予測される半導体業界
- 韓国の命運がかかっている
- 国際関係におけるリスク
ということで、ひとつずつチェックしていきましょう!
好調が予測される半導体業界
半導体業界は今後、長期に渡って高い需要が続くと推測されています。
現状でも半導体不足が続いており、「iPhone」や「PlayStation5」などの製品の出荷にも遅れが出ています。
需要が供給量を上回る状況がしばらく続くと見られ、業界でリードするサムスン電子には大きな追い風になります。
さらに第4次産業革命も忘れてはいけない点です。AI(人工知能)や、IoTなどの技術革命が急速に進んでいます。
この技術革新には半導体が不可欠です。業界全体が盛り上がっていくことを考えれば、サムスン電子の半導体分野の成長性も期待ができます。
半導体業界の好調は、サムスン電子の将来性に大きな影響を与えると考えられます。
韓国の命運がかかっている
すでに紹介した通り、サムスン電子は韓国国内の全企業の20%の利益を生み出しています。
つまり、サムスン電子の将来は韓国の今後に大きく関わることになります。
そのため、国から支援や投資を受けられる可能性が高いです。
「国策に売りなし」という投資の格言もあり、国が力を注ぐサムスン電子は魅力的な投資先と言えるでしょう。
しかし一方で、サムスン電子の副社長は、朴槿恵前大統領への贈賄罪により収監されています。
サムスン電子の国との癒着や、韓国が財閥に依存する体質を疑問視する声も多くあります。
投資するのであれば、こうしたリスクにも目を向けておく必要があるでしょう。
国際関係におけるリスク
サムスン電子の国際関係におけるリスクを押さえておく必要があります。
やはり注目すべきは米中関係でしょう。特に半導体業界は、米中の関係によって左右される側面が強く、サムスン電子も例外ではありません。
米中間の競争は先端技術の領域に進んでおり、米中への供給で成り立っているサムスン電子の半導体が影響を受けることは避けられないと見られます。
米中の間に立たされているのは日本企業も共通ですが、サムスン電子も国際関係に大きく左右されます。今後の動向に注目しておく必要があります。
まとめ
今回は、韓国最大の企業「サムスン電子」について銘柄分析しました。
○3つの部門で補い合い、安定した収益をあげることに成功している
○株価は業績相場への移行が推測され、10万ウォンを目指す可能性もあり
○半導体業界の好調に期待
○米中の関係に要注意
半導体不足の現状や第4次産業革命の影響を踏まえると、魅力的な銘柄であると私は考えています。
米中関係や半導体業界の動向を、今後もしっかり追っていこうと思います。
最後まで読んでいただきありがとうございました。またお願いします。